北海道旅行の話をすると、たいてい「夏に行きたい」か「冬に行きたい」のどちらかです。9月という答えは、あまり返ってきません。もったいない話だと思っています。
旭川でレンタカーを貸していると、9月はお客様の顔つきが違います。慌てていないのです。混んでいない、暑くない、値段が上がらない。この3つが揃う月は、1年のうちここだけです。
9月の北海道が持っている、4つの利点
1.人が減ります
お盆を過ぎ、学校が始まると、観光地の人出ははっきり減ります。8月には駐車場の入口で30分待った場所が、9月の平日ならすんなり入れる。青い池も四季彩の丘も、まったく別の場所のように感じられます。
2.気温がちょうどよくなります
旭川の8月は30度を超える日がありますが、9月に入ると日中20度台、朝晩は10度台に落ち着きます。歩いても消耗しない、車の外に出るのが苦にならない。写真を撮る方にとっても、空気が澄んでくる時期です。
3.紅葉が始まります
日本で一番早い紅葉は、9月中旬の大雪山から始まります。旭川から層雲峡まで約1時間30分、旭岳まで約1時間。本州がまだ夏の名残の時期に、山では秋が始まっている。この時間差は北海道ならではです。
4.食べ物がいちばん良い時期です
とうもろこし、じゃがいも、かぼちゃ、そして秋鮭。直売所と道の駅が一年で最も充実するのが9月です。北海道の食を目的に来るなら、実は夏より9月です。
ただし、注意すべきこともあります
日没が急に早くなります
7月なら19時過ぎまで明るいのに、9月下旬は17時半にはかなり暗くなります。夏の感覚のまま予定を組むと、最後の1か所が真っ暗になって回れません。行程は明るいうちに終わる前提で組んでください。
朝晩の冷え込みが本州の11月並みです
9月下旬の山では、朝の気温が5度を下回ることがあります。日中との差が15度以上開く日も珍しくない。上着は必ず持ってきてください。車の暖房を使う日もあります。
動物の動きが活発になります
秋はエゾシカの繁殖期で、道路への飛び出しが一年で最も増える時期です。特に朝夕。速度を落とし、1頭見えたら後続がいると思ってください。
シルバーウィークだけは混みます
9月の連休は例外です。この期間だけは夏並みに動きますので、車も宿も早めに押さえてください。
台風の影響を受ける年があります
北海道は台風と無縁だと思われがちですが、9月は影響を受けることがあります。予報を確認し、無理をしない日程の余裕を持たせてください。
9月の旭川発、おすすめの組み立て
9月上旬:丘と食
まだ紅葉には早い時期です。美瑛・富良野の丘は収穫期を迎え、夏とは違う色になります。直売所巡りと合わせると、この時期らしい一日になります。
9月中旬:山の上へ
大雪山系の標高の高いところが色づきはじめます。旭岳ロープウェイや黒岳ロープウェイで一気に上がると、紅葉と初雪が同時に見られる年も。マイカー規制が実施される期間がありますので、事前に確認を。
9月下旬:層雲峡と峠
紅葉が山を下りてきて、層雲峡や三国峠が見頃を迎えます。峠道のドライブそのものが目的になる時期です。ただし高い場所では路面凍結の可能性が出てきますので、天候には注意してください。
9月の車選び
- 2名・観光中心:軽(24時間3,700円)またはコンパクト(24時間4,900円)
- 山岳ルートを含む:SUV(24時間6,800円)。登坂と視界が楽です
- 直売所で買い込む:荷室に余裕のあるクラスを
- 峠を走ることが目的:GRスポーツ3車種。秋の峠は最高です(6速MT・AT限定不可)
当店は繁忙期でも料金体系を変えていませんが、そもそも9月は車両にも余裕がある時期です。直前のご相談でも対応できる可能性が高い。これも9月の隠れた利点かもしれません。
まとめ
9月の北海道は、人が減り、気温がちょうどよく、紅葉が始まり、食べ物が一番良い。夏休みと冬の間に挟まれて注目されにくいだけで、条件としては一年で最も整った月かもしれません。
気をつけるのは、早い日没、朝晩の冷え込み、動物、そしてシルバーウィークの混雑。この4つを頭に入れておけば、静かで気持ちのいい旅になります。
ご相談ください
「9月のいつが良いか」というご相談も歓迎です。紅葉の進み具合はその年で変わりますので、直前の状況をお伝えしたうえで、行き先とルートをご提案します。
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